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ブランクがあっても働ける?その許容期間は?

登録販売者の資格は、一度取得すれば資格を失効することはありません。しかし、第二類・第三類の医薬品をひとりで販売することができる「正規(管理者要件を満たす)の登録販売者」については、長期間仕事を離れると資格を失う可能性があります。

こちらのページでは、正規の登録販売者についてや、正規の登録販売者が休職や離職した場合にどの程度のブランクまで許容されるのかについて紹介していきます。

正規の登録販売者とは

医薬品を販売できるお店には、ドラッグストアやコンビニ、家電量販店やスーパーマーケット、ホームセンターなどさまざまな形態がありますが、必ず「店舗管理者」をひとり以上配置することが義務付けれています。

管理者要件を満たす正規の登録販売者は、この「店舗管理者」または店舗管理者が不在時に変わって代行できる「管理代行者」になることができます。

正規の登録販売者を満たす条件

毎年実施される登録販売者の試験に合格した方が実店舗で働く場合、まずは薬剤師や正規の登録販売者のもとで「研修中」の登録販売者として従事します。その際、就職先の店舗を管轄している都道府県庁で販売従事登録を行い、下記の条件を満たしたときに初めて正規の登録販売者となるのです。

  1. 直近5年以内に24ヵ月以上の実務経験があること
  2. 直近5年以内に累計1,920時間以上の実務経験があること
(2)については、2020年3月末に法改正されました。法改正前は「80時間以上従事した月だけ」が実務経験の月としてカウントされました。しかしその条件下では、例えば経営側の都合により閑散期は月70時間しか勤務させてもらえなかった月は、実務経験の月にカウントされないという不平等が生じることに。

この法改正によって、シフトの変更を強いられやすいパートの方や家庭の事情で月50時間しか働けない方なども、実際に働いた時間を累計で計算されるようになり、正規の登録販売者になりやすくなったのです。

ブランクは最大3年!累計実務時間もチェック

一度正規の登録販売者になったとしても、「直近5年以内に24ヵ月以上の実務経験と累計1,920時間以上の実務経験」が満たされていない、研修中の立場に逆戻りです。

出産や育児、家族の介護などの理由によって離職して、再度正規の登録販売者として職を見つけるにはブランク期間に注意する必要があります。

離職時まで月80時間以上勤務していた方

離職直前まで月80時間以上勤務していた方は、最大3年のブランク期間が可能です。

月140時間働いていた方の場合、1年4カ月で「累計実務1,920時間」は超えますが、もうひとつの条件である「24カ月(2年)以上の実務経験」が満たされません。そのため、3年間(36カ月)を超えるブランクはありえません。

離職時まで不定期に働いていた場合

離職時まで不定期なシフトで働いていた場合は、個人差が生じます。

例えば下記のように、一日約7時間勤務を2年間続け、その後徐々に勤務時間が減少している方について見ていきましょう。

  1. 1年目の実務合計時間…1,500時間
  2. 2年目の実務合計時間…1,500時間
  3. 3年目の実務合計時間…800時間
  4. 4年目の実務合計時間…600時間
  5. 5年目の実務合計時間…400時間
  6. 6年目の実務労働時間…0時間
  7. 7年目の実務労働時間…0時間

この方の場合、3年目から正規の登録販売者となります。そのまま7年目の途中まで正規の登録販売者を保持できますが、その後は累計1,920時間に満たないために研修期間は逆戻りとなります。

ただし、丸2年間のブランクだけで復帰したのであれば、3年目から5年目までの勤務時間が累計されて、すぐに正規に復帰できる計算になります。

ブランクがあっても雇ってくれる?

ブランクがあっても雇ってくれる雇用先は多くあります。登録販売者の求人広告の多くには、下記のような応募条件が記されています。

これらの応募要件を確認してエントリーしてみましょう。応募条件が満たない場合でも、すぐに正規の登録販売者の資格を取り戻せるような経験者であれば、直接問い合わせて交渉するのもひとつの方法です。

しかし2~3年のブランクがある方の場合、たとえ正規の登録販売者の資格を保持していても情報不足により一人体制で売り場管理するのは厳しいのが現実です。そのような場合は、複数の登録販売者が働いているようなドラッグストアへ一度転職してみるのも良いかもしれません。

そこで再度実務経験を積み、新しい情報や接客のノウハウを取り戻してから条件の良い転職先を探してみてはいかがでしょうか。

コンビニとドラッグストアで求人情報を比較!

登録販売者の資格を取得しているが実務経験がない、あるいはブランクがあるという場合でも、学びながら働けると募集要項に記載されていることが多いドラッグストアやコンビニ。経験をしっかりと積んでいきたい方に向け、ここでは「業界動向リサーチ」サイトに掲載の「コンビニ業界 売上ランキング(2022-2023年)※1」の上位3社と「ドラッグストア業界 売上高ランキング(2021-2022年)※2」の上位3社の中から、登録販売者のアルバイト・パートの求人をしている東京都内の店舗のうち、時給が高かった「ドラッグストアコスモス」と「ローソン」の募集内容を比較してみます。東京都内での一日の最低時給を参照。(2024年2月29日時点)東京都の最低賃金は2023年10月1日より1,113円。

※1 参照元:業界動向リサーチ「コンビニ業界 売上ランキング(2022-2023年)」https://gyokai-search.com/4-konbini-uriage.htm
※2 参照元:業界動向リサーチ「ドラッグストア業界 売上高ランキング(2021-2022年) 」 https://gyokai-search.com/4-drag-uriage.htm

コンビニ/ローソン国立能楽堂前店

市販医薬品を販売する店舗展開を積極的に行っているローソン。そのため登録販売者の求人も多く、自宅近くでアクセスしやすい店舗を見つけやすいのではないでしょうか。またドラッグストアよりもシフトの自由度が高め。コンビニ業務も行いますが、医薬品売り場は登録販売者が担当するので、やりがいを感じるという声が多いようです。
そんなローソンの採用サイトで登録販売者として働ける募集内容(2024年3月5日時点)を確認すると、新宿区や江東区、港区、墨田区、文京区、世田谷区など様々なエリアの求人が37件も掲載。その中から、実務経験不問で募集している渋谷区にある国立能楽堂前店の求人情報をまとめてみました。

勤務時間 7:00~22:00の間でシフト制
時給 時給1,200円
別途登録販売者手当有り
・研修中:月額5,000円
・管理者要件有り:月額10,000円
・管理者:月額30,000円
待遇 交通費規定支給、制服貸与、正社員登用制度、保険加入あり
メリット ・プライベートを優先・充実できる
・駅チカ店舗で通勤が便利
・eラーニングによる研修で実務経験を積める
・商品の物量が少ないため、身体の負担は少ない

ドラッグストア/コスモス叶谷店

福岡市に本社を置く株式会社コスモス薬品が運営するドラッグストア。2024年02月29日時点で全国に1,459店舗展開する成長企業です。様々な商品をいつでも低価格で購入できることをコンセプトに、地域住民に親しまれています。
そんなドラッグストアコスモスの採用サイトで登録販売者として働ける募集内容(2024年3月5日時点)を確認すると、世田谷区や八王子市、あきる野市、武蔵村山市、町田市にある店舗の求人が掲載。その中から、資格は取得しているけれど未経験でも可と募集要項に記載するあきる野市の秋川店の求人情報をまとめてみました。

勤務時間 [1] 08:30~13:00
[2] 12:30~21:15
[3] 12:30~17:00
[4] 16:00~21:15
時給 [1]パート 8:30~13:00 1240円
[2]パート 12:30~21:15 1340円
[3]パート 12:30~17:00 1240円
[4]パート 16:00~21:15 1340円
※17時までは1,240円
※日曜・祝日勤務は時給100円アップ
待遇 交通費規定支給、従業員割引制度、制服貸与、正社員登用制度
メリット ・従業員割引が使える
・休みの希望は月3回まで申請可能でプライベートの予定を確保できる
・月20日程度の勤務で安定して働ける
・販売時に勉強する機会を用意している