登録販売者はきつい。そのような話も聞こえてきますが、実際のところ、登録販売者のお仕事はきついのかや、なぜきついと言われているのかをまとめて紹介したいと思います。
登録販売者がきつい、大変と言われている理由は、登録販売者がきついのではなく、ドラッグストアがきついからこそです。
近年のドラッグストアは足を運べば分かるように、薬品関連の商品だけではなく、スーパーやコンビニ顔負けの品揃えとなっています。薬以外のことも覚えなければならず、さらには人手不足もあって残業が多いです。
このような点から、ドラッグストアでのお仕事は、登録販売者にとって、「思っていたものと違う」「薬以外の方が多くて大変」と感じてしまうからです。
登録販売者は、医薬品という体に影響のある商品を販売するためその責任は重大です。そのため、登録販売者は資格を取ったあとも日々勉強をして正しい知識や新しい知識を身に付けたり、今持っている知識を深めていく必要があります。
実際にお店で働いてみると、資格取得のための勉強とはまったく違う経験を毎日することになるのです。
体調不良を訴えて来店する方に対しては、症状やその他の薬との飲み合わせなどに気を付けてお薬を提案したり、必要としている情報の更に先を提案したりすることもあるので、登録販売者として働いてからも日々覚えることが多い職種と言えます。
登録販売者が多く働く「ドラッグストア」では、卵や牛乳といった「日配」と呼ばれる商品の納品があります。
特に牛乳やジュースといった飲料類は重いため、所定の場所まで運んだり、陳列する仕事は体力勝負と言われています。
さらに、2階がある店舗の場合は、手作業で運ばなくてはならないため、腕や肩、足腰にも負担がかかります。
しかし、「ずっと立ちっぱなしで仕事をしているよりは、たまに体を動かすタイミングがあることで気分転換になる」という声もあります。
働く企業によっては登録販売者に「ノルマ」が科せられることがあります。主に特定の医薬品や滋養強壮剤などを決められた数量販売するというノルマです。
このノルマがキツイという声もありますが、販売力が試される時でもあります。お客さんとの会話の中から、お客さんだけでなくその家族のニーズなども瞬時に感じ取って販売につなげるという「販売員としての能力」も必要となります。
この販売員としての能力はどこのお店に行っても使える強力な武器になりますので、登録販売者として働きながら、お薬やその他の商品を販売する力を身に付けるのも良いでしょう。
登録販売者は資格がないと慣れない仕事のため、多くの店舗で登録販売者の資格を持っている従業員が足りない傾向にあるようです。
そのため、社員ともなると休憩時間であっても呼ばれたら出なくてはならない場面もあるようなので、登録販売者は「ゆっくり休憩が取れない」イメージを持つ人も少なくありません。
また、シフトによっては長時間の「ロングシフト」をこなさなくてはならない場合もありますので、休憩のタイミングなども含めて慣れが必要なようです。
登録販売者はチームプレイで同僚と共にお店を盛り上げる「お店づくり」をしていかなくてはなりません。近年では薬局やドラッグストアだけでなく、コンビニやホームセンターといった他業種の企業でも医薬品を販売しているため、多くのお客さんに来店してもらえるよう努力をする必要があります。
地域柄や客層などを踏まえてお客さんに喜んでもらえるお店を作るためには、他のスタッフとも連携して目標に向かっていく必要があります。
その過程で時には我慢を強いられたり、足並みをそろえるために奔走したりと大変なこともありますが、そういった点にもやりがいを感じる人もいるようです。
医薬品を扱うお店に限らず、どこの小売店でも対応に苦慮するのが「クレーム対応」です。登録販売者もクレーム対応力が高いと日常の業務を円滑に進めることがでいます。
クレームと聞くと及び腰になってしまう人もいるかもしれませんが、クレーム対応の第一は「お客さんのお話をしっかり聞く」ということが大切です。
誠心誠意対応することで意外とすんなり納得していただけることもありますので、「クレーム」という言葉に反応し過ぎず、しっかりと対応できるように心がけると良いでしょう。
医薬品販売も「接客業」の1つです。お客さんあってのお店なので、お客さんのかゆいところに手が届くようなサービスを心がけながら仕事を進めていくと良いでしょう。特に登録販売者は「医薬品に関する相談」を受ける場面が多いため、他のスタッフと比べてよりお客さんと接する時間が多いです。
そのため、誠意をもって対応する必要がありますが、お客さんと接する時間が長い分、「ありがとう」と言ってもらえる機会も多くあります。
接客業は大変なこともありますが、良い側面もたくさんあるのです。お客さんから感謝の言葉をかけてもらうことで大きなやりがいも感じられます。
登録販売者は男女関わらず募集している企業が多いですが、商品によっては男性向けのものや女性向けのものもあります。
例えば化粧品の場合、男性の登録販売者はなかなか質問に答えられないことも多いと思いますが、「男性だからわからない」ではせっかくの販売の機会を逃してしまうことがあります。もちろん女性の登録販売者も同様です。
そのため、常にアンテナを張り巡らせながら、男性向け・女性向けに限らず、商品に関する知識を深めていくと良いでしょう。
ドラッグストアの場合、薬剤師のみが扱える第一類医薬品もわずかではありますが、扱いがあります。そのため、第一類医薬品をお求めのお客に対しては自分自身では応対せず、薬剤師の力を頼らなければなりませんが、その点をストレスに感じる登録販売者も多いようです。
お客にとっては登録販売者でも薬剤師でも「お店のスタッフ」なので質問するものの、第一類医薬品の場合は登録販売者では説明することができません。薬剤師を取り次がなければなりませんので、余計疲れたり、ストレスになる方も多い様です。
正社員とパート・アルバイトの働き方にはどのような違いがあるのでしょうか。
ドラッグストアの場合、正社員よりパート雇用の人材が多い店舗がほとんどです。正社員はパートやアルバイトの人事やシフトを管理し、現場で指示を出すなど人材マネージメントの責任があります。また売上管理や在庫管理、販売促進の企画などの店舗作り、店舗の開店・閉店業務の責任も生じます。
個人の都合で勤務時間の選択をしやすいパートと比べると、正社員は週末に休日を取るのが難しく、開店から、または閉店までのローテーション勤務になる企業が多いようです。
また正社員は転勤する可能性が高い傾向があります。ドラッグストア入社時の契約によりますが、全国区で展開している企業は、引っ越しをともなう異動を命じられることがあります。事前にエリア限定社員が可能か確認してみましょう。
正社員のメリットとしては、総合的な店舗責任が伴うぶん、年収はパートより高くなります。役職のない社員でも300万円台、店長クラスでは400万~500万円程度が一般水準。スキルアップやキャリアアップを目指すことができて、安定した収入を得られます。
短時間労働者であるパート・アルバイトを選択する人は、家事や子育て、介護など家庭の事情がある人や、学生、プライベートを充実させたい人がほとんどです。募集時から勤務場所・勤務時間数、曜日、時給、福利厚生の利用不可などの条件を絞り込み選択すれば、プライベートと両立できる職場で働けるのが大きなメリットです。
近年は働き方改革やパートタイム労働法の導入により、有給の取得や社会保険の加入などパートの権利や雇用体制が保護され働きやすくなりました。家庭との両立やライフスタイルを充実させたい人は、パート勤務を考えてみると良いかもしれません。
ドラッグストアやコンビニの場合、日常生活の中で利用するケースも多いため、ある程度どのような商品が扱われているのかも把握できるのではないでしょうか。
一方、家電量販店の場合、好きな人にとっては良いのですが、家電に興味のない登録販売者の場合、覚えることも多々あります。また、家電量販店のお客は専門的な知識を求めているため、付け焼刃の接客が通用しないケースが多いです。
売り場では専門的な知識を持った接客が求められますので、登録販売者の資格を取得していても、薬とはまったく関係ない家電に関しての知識を一から勉強しなければならないケースもあります。
その場合の負担はどうしても大きなものに感じてしまうことでしょう。また、家電量販店はサービス業のため、基本的には土日や祝祭日は出勤というケースが多いです。「自由な出勤」を求めている場合、そのような出勤スタイルもストレスになってしまうでしょう。
登録販売者のノルマとは、予め決められた医薬品の販売ノルマを指します。登録販売者というと「ノルマがきつい」というイメージを持っている人もいますが、ノルマの有無は企業によって異なります。
企業によってはノルマがない代わりに毎月のテストや年に数回の研修が必須という企業もあるようです。この辺りも企業によってまったく違いますので、年収や休暇といった待遇面だけでなく、ノルマの有無や研修・テストの有無などについても併せて確認してみると良いでしょう。
ドラッグストアは薬剤師も働いていますが、薬剤師は薬のみで、通常商品の品出しやレジ操作せず、あくまでも「薬の取り扱い」しかさせないドラッグストアもあります。
しかし登録販売者は、そんな薬剤師を尻目に自らはさまざまな仕事に取り組まなければなりませんので、精神的に「大変」だと感じることが多いようです。
ドラッグストアの場合、性質上さまざまな薬が置かれていますので、薬剤師と登録販売者が混在し、違いに大してストレスに感じる登録販売者も多いのですが、家電量販店やコンビニのように、薬剤師がいない職場も多々あります。
薬剤師がいませんので、退屈そうにしている薬剤師を横に、登録販売者だけがあくせく頑張るということもありません。そのため、精神的なストレスを感じることなく働けます。
コンビニの場合、ストレスがないだけではなく、時間も自由です。ご存知のように、コンビニは24時間営業になりますので、自分の働きたい時間に働くことが可能です。
昼間の勤務だけではなく、早朝、夜勤など選択肢も豊富です。他に何かやりたいことがある登録販売者や、更なるスキルアップを目指して勉強したい登録販売者は、コンビニのように好きなスタイルで働ける場所がオススメです。