登録販売者の資格を取得して実際の現場で接客しはじめると、OTC医薬品以外の知識の必要性を感じる人が多いようです。ここでは、接客の中で活かせる資格にはどのようなものがあるかをまとめています。
ドラッグストア・コンビニ・スーパー・家電量販店・ホームセンターなど、さまざまな業界で活躍している登録販売者。とはいえ、管理者要件を満たすまではドラッグストアで働くケースがほとんどです。
ドラッグストアでは医薬品以外にも、健康食品やコスメ関係、日用品、食品などを取り扱います。登録販売者と言えどもOTC医薬品以外の業務を担当するケースがほとんど。ドラッグストアでは取り扱い商品が多いために、登録販売者の資格を保有していてもお客さんからの疑問・質問に答えられないケースも多々あるようです。登録販売者の資格を取得したなら、今後のキャリアアップに備えて、研修中に次の資格取得を目指してはいかがでしょうか。自分の強みを作っておけば、将来転職する際のアピールにもなります。
登録販売者の試験問題では漢方についても触れているものの、それほど深い内容ではありません。「東洋医学の知識を一層深めたい」「将来は漢方薬局に務めたい」という方は、「薬膳・漢方検定」や「漢方・生薬認定薬剤師」「中国漢方ライフアドバイザー」などの資格取得を目指してみてはいかがでしょう。東洋医学や漢方に特化することで、登録販売者としての価値も向上できます。
一般社団法人 日本健康生活推進協会が主催している検定で、生活習慣の改善など健康的に寿命を延ばすためのノウハウを習得します。2017年からスタートしたばかりですが、日本医師会や東京海上日動火災保険、住友生命保険などが後援についている注目度の高い資格です。
資格はベーシックとエクスパートの2種類あり、ベーシックはセルフケアが中心、エキスパートコースは、職域の管理職級リーダーなどに必要なコミュニティケアのスキルを習得することになります。「日本健康マスター検定公式テキスト」から出題されます。
日本漢方養生学協会が主催している検定で、これから漢方や漢方の知識を活用して食生活を変えていきたいと考えている人向けのビギナー向け資格。身近にある食品の漢方的な効能や季節や体質に合わせたレシピなどが学べます。
登録販売者の試験にも漢方に関する項目がありましたが、さらに深く、実用的な内容をお客さんに伝えたい人におすすめ。仙台・東京・名古屋・大阪にあるそれぞれの会場で受験できるほか、オンライン受験も可能です。
一般財団法人 日本能力開発推進協会が開催している資格です。試験を通じて漢方の本場である中医学の考え方や基礎医学を含め、漢方を使ったライフアドバイスができる知識を習得します。
具体的には170種類以上にも及ぶ漢方の特徴や、煎じ薬や薬膳、漢方コスメなど、実践で使えそうな知識も含みます。受験するには、協会指定の認定教育機関の全カリキュラムを修了しなければなりませんが、勉強も受験も在宅で可能です。受験はテキストを見ながら受けれるので、難易度は高くありません。
多くのドラッグストアで、健康食品やビタミンなどのサプリメントはOTC医薬品の棚に近い場所に配置されています。これらの商品のアドバイスをお客さんから求められることもしばしば。
サプリメントの知識を一層深めたい人は「サプリメントマイスター検定」を、栄養や食品学、衛生管理などを学びたい人は「食生活アドバイザー検定」がおすすめです。
サプリメントマイスター検定は、一般財団法人 職業技能振興会が主催している健康食品(サプリメント)の試験です。身体のしくみやサプリメントの素材など実践的で正しい知識を学び、日々の健康やセルフメディケ―ションに役立てるための検定です。
出題範囲は公式テキスト「サプリメントマイスター検定」で学ぶことができます。試験会場がるリアは東京と大阪です。
サプリメントインストラクターは、一般財団法人日本能力開発推進協会による認定資格です。健康食品という位置づけであるサプリメントをどのように活用するかや、サプリメントを摂取する重要性など総合的な知識を身につけます。
資格試験を主催する日本能力開発推進協会と提携した認定教育機関で、所定のカリキュラムを修了した人のみ受験資格があります。受験自体は随時可能です。カリキュラム修了後、在宅で受験します。
食生活アドバイザー検定とは、一般社団法人FLA(Food&Lifestyle Adviser)ネットワーク協会が主催している食生活についての資格試験です。2005年に政府が制定した食育基本法にのっとり、ライフスタイルに合う食生活がアドバイスができる人材を育成することを目的としています。
栄養や食品学、衛生管理、食文化など習得することになります。検定は2級と3級があり、3級は消費者の立場から食生活を見直す内容です。2級は食を提供する側から食ビジネスに関する範囲が出題されます。
女性の登録販売者の場合、基礎化粧品・コスメ・美容関連商品などの質問をお客さんから受ける機会が多くあります。使用方法や成分、類似品との違いなど、美容知識を持っていないとお客さんをいたずらに待たせてしまうことに。
美容系の検定には化粧品の成分や安全性、法的な内容を習得する「日本化粧品検定」や、美容や化粧品を薬学な観点で学べる「美容薬学検定」などです。これらの検定に向けた学習すれば、ドラッグストアで働く上で必要な美容知識を身に着けられます。
日本化粧品検定は、一般社団法人日本化粧品検定協会(JCLA)が主催する検定試験です。この検定試験を通してメイクアップ方法やお手入れなどの美容方法、薬機法(薬事法)など、化粧品売り場などで実践的に役立つ知識を学習できます。
日本化粧品検定は3級、2級、1級の3種類があり、3級の受験はネットで登録すれば、すぐに無料受験できるのが特徴です。基礎的な知識なので、数回試せばその日のうちに合格証を手に入れられるでしょう。2級と1級検定試験は年2回、全国20カ所ほどで開催実施されます。定期開催地は11カ所でその年によって特別開催地が加わります。
日本セルフケア支援薬剤師センターが主催している美容関連の薬学知識の認定資格です。試験を通じて化粧品などに含まれる美容成分の正しい知識や、ヒトの肌の構造など最新の情報を学べます。1級と2級の資格がありますが、試験問題は同じで正解率で合格級が決まります。合格ラインとなる正解率は2級の場合60%以上、1級は70%以上です。
マークシート式試験は全国で6カ所ほどでしか開催されませんが、記述式試験は在宅で受験することもできます。
一般社団法人 化粧品成分検定協会が開催している認定試験です。私たちが日常的で使用する基礎化粧品やメイク用品、日焼け止め、シャンプーのパッケージに記載された成分情報を分析し、目的に合う商品を選べる知識を学びます。
化粧品売り場も担当する登録販売者であらば、お客さんから問われた時に役立つ知識になるでしょう。
3級受験はネットで無料で挑戦できます。2級と1級は試験会場での受験となります。
スキンケアカウンセラーは、一般社団法人 日本スキンケア協会が主催する認定資格です。同協会が主催しているスキンケアアドバイザー認定に合格した人が受けれる上位認定資格です。
認定証は試験を受験して得るわけではありません。スキンケアカウンセラー講座を受講した人が、最終段階の課題レポートを提出することで合否が決定します。
講座では皮膚科学や化粧品化学といった理学的な要素と共に、心理学や接客といったお客さん相手のカウンセリング術を学びます。本格的に美容系の接客業を目指していきたい人におすすめです。
登録販売者として企業内で働く以上、お客さんの満足度をアップさせて売上に貢献するのも務めです。接客術や商品のディスプレイ、興味を惹くPOP作りなどを勉強してキャリアを磨けば、将来の店長候補やエリアマネージャーも夢ではありません。
接客術については「サービス接遇検定」や「敬語力検定」、売り場作りには「ディスプレイデザイナー」や「POP検定」といった資格が役に立ちます。
公益社団法人 日本マーケティング協会が主催している認定資格で、2017年に誕生した比較的新しい検定です。試験を通してマーケティングの基礎やマーケティングリサーチ方法、消費者の購買意思決定プロセス、価格や商品戦略など企業発展のための戦略が学べます。
テストは全国各地にあるCBTテストセンターで随時受けられます。1級から3級までの3種類の認定がありますが、2021年10月時点では、1級試験はまだ実施されていないようです。企業発展とともにキャリアアップを目指していきたい人におすすめです。
日本デザインプランナー協会が主催する認定試験です。試験を通じて陳列のテクニックや照明、色彩技術など空間ディスプレイデザインの基礎や応用を習得し、目的に合う空間を表現する技能を学びます。
1級と2級の2種類の認定があり、試験は在宅受験方式となっています。お店の商品ディスプレイは売上に影響を及ぼします。今後売場の管理者になった時に、活用できそうな資格です。
一般社団法人 公開経営指導協会が主催する検定資格です。販売促進に影響を与えるようなPOP作成能力を認定します。試験は学科と実技に分かれ、学科ではレタリングや装飾文字、プライスカードなどを実際に作成。基礎から応用テクニックまで試されます。
POPのセンスがあれば必ずしも必要な技術ではありませんが、デザインに興味がある人は取得してもいいかもしれません。
サービス接遇検定は、公益財団法人 実務技能検定協会が主催する検定試験です。サービス業務に対する心構えや消費者の心理、応対テクニック、言葉遣い、態度などを学習します。
1級・準1級・2級・3級までのレベルがあり、理論と実技試験を実施します。まとめて併願受験する人も多いようです。登録販売者の仕事は、消費者に対しての接客業務が大きな割合を占めることになるので、接客に自身のない人は消費者心理などを学ぶ良い機会になるでしょう。