正社員の登録販売者は、土日休みのスケジュールで働くことができるのでしょうか?ここでは、正社員・登録販売者の休暇事情についてご紹介し、あわせて正社員・登録販売者でも確実に土日休みにする方法について考察してみます。
わずか数年前に比べ、日本社会ではブラック企業が激減しています。正社員とは言え、会社の奴隷ではないことを、少しずつ社会に声を出して言える時代になってきました。
このような潮流の昨今、正社員だからと言って土日に休みを取れない、ということは絶対にありません。強く希望し、周りの協力のもとでシフトを組んでもらえば、正社員とは言え土日に休むことはできるでしょう。
ただし、公務員のように毎週土日をレギュラー休日にする、ということは無理かもしれません。なぜならば、登録販売者が主に働くドラッグストアやコンビニ、量販店などは、通常、土日祝日も含めて営業しているからです。
土日に休みたいのは誰でも同じ。そのような中、自分だけが毎週土日を休む、ということは現実的に困難だと考えるべきでしょう。
大手ドラッグストアの正社員・登録販売者の求人票を参照し、それぞれの休暇制度に関する記載を抜粋してみました。土日休みを保証しているドラッグストアはあるのでしょうか?
以上をご覧いただいてお分かりのとおり、少なくとも大手のドラッグストアでは、正社員・登録販売者に対し、レギュラー的に土日休みを保証するところは、ほぼ皆無のようです。
ただしこれは、「正社員は土日休みを取れない」という意味ではなく、「正社員でもシフトや交替で土日休みを取れる」という意味。誤解のないようにしましょう。
正社員の登録販売者として働きながら、確実に土日を休みにしたいならば、次のような方法を検討してみましょう。
大手ドラッグストアやコンビニ、量販店などは、土日も祝日も関係なく営業をしていることが一般的です。よって、自分だけレギュラー的に土日を休むことは、極めて難しいでしょう。そうである以上、大手ではなく、もとより土日は閉店している小さな薬局への就職を考えて良いかもしれません。
地方などに行くと、薬剤師さんが一人で経営している薬局があります。そのような薬局の中には、土日を休みにしているお店もたくさんあるでしょう。経営する薬剤師さんが高齢である場合も少なくなく、そのような薬局の場合には、登録販売者が一人就業してくれるだけで非常に助かるはずです。
大手の正社員として、なるべく土日を休みにしたいならば、シフト休を柔軟に取れる風土の会社かどうか、よく調べてみましょう。
ドラッグストアやコンビニなどの業界は慢性的な人手不足ですが、そのような中でも、比較的人材が潤沢な会社もあるようです。人材が潤沢であれば、シフト休も取りやすいかもしれません。現職の正社員や退職した元・正社員などの口コミを参考にして、シフト休に関する会社の風土を確認してみると良いでしょう。
確実に土日休みにする裏技として、自分で薬店を開業するという方法があります。自分の店であれば、何曜日を休みにするかは自分の自由。確実に土日休みにすることもできます。
ちなみに登録販売者が開業した場合、資格に応じて第二類・第三類医薬品までしか販売できませんが、薬剤師の有資格者を採用すれば、第一類医薬品の販売や調剤サービスを提供することも可能です。
調剤を主に扱っている調剤薬局は、日曜日を休みにしていることはあっても、土曜営業をしているところがほとんどです。
調剤薬局の営業スタイルは、診察を終えた患者さんがそのまま処方箋を持って薬を求めるのに対応できるよう、総合病院やクリニックなどの周辺に立地していることがほとんど。つまり病院やクリニックの外来日に合わせて店舗を営業していることが多いのです。
もし土日の診療を行っていないクリニック周辺に立地するのであれば、週末まるまる営業しない調剤薬局もありますが、医療機関の多くは土曜診療をしているため、9割以上の調剤薬局も土曜営業しているのが現実です。
土日が休みの調剤薬局の存在はゼロではありませんから、調剤薬局の求人情報を常にチェックしておけば応募することは可能です。あるいは土日休日の調剤薬局をピックアップして、求人の有無に関わらず履歴書を持っていくなど自らアプローチする方法もあります。
全国区のスーパーやホームセンターは、週末営業日は稼ぎ時です。正社員の立場で土日の両日毎週休むのはほぼ無理と言えるでしょう。
しかし首都圏外の地元ローカル的なお店であれば、週末でもそれほど忙しくないことがあります。そういった店舗を選び、あらかじめ面接で交渉すれば週末の休みをゲットできる可能性はあります。
雇用形態が正社員で土日休みをレギュラーにするのは難しいものの、パートやアルバイトであれば問題なく探すことができます。
パート求人の募集要項欄には「1カ月の土日祝の1/2勤務希望」や「土日祝勤務できる方歓迎」といった文章が入っていることがあります。しかしとくにそういった文章がなかったり、勤務日相談に応じます…といった店舗も意外と多いものです。
家庭の事情やプライベートの充実を目的に、登録販売者という資格を活かしながら自分らしく働ける職場を探すことは大切ですよね。
こちらでは週末勤務しなくてもよさそうな、3つの異なる業種のパート求人情報を紹介します。それぞれどのような特色があるのか見ていきましょう。※情報はすべて2021年6月時点の埼玉県内のものです。
ウエルシア坂戸浅羽野店は2021年8月に新規オープンする店舗です。そのオープニングに伴い、登録販売者の資格を持つパートと資格なしのアルバイトを募集しています。下記は登録販売者の資格を持つパートの求人要項です。
オリジナルのパート求人情報には勤務曜日や時間帯の記載はされていませんが、アルバイトの求人には週3~4日でOKとあります。勤務体系が9:00~24:00のシフト制ということから、ある程度は自身の都合に合わせた勤務時間と勤務日が選べそうです。
ちなみに管理者要件を満たした登録販売者が1日5時間、月20日間働いた場合、次の月収が望めます。
勤務体系 | 9:00~24:00の間でシフト制 |
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給与 | 研修中:時給980円以上 管理者要件を満たす人:時給1,040円以上 勤務時間帯により時給加算あり |
業務内容 | 相談対応・販売・レジ・商品陳列 |
待遇 | 交通費支給(規定内)、制服貸与、従業員割引制度あり、正社員登用制度あり |
MEGAドン・キホーテはショッピングデパートのようなディスカウントショップ。東松山店内にあるドラッグコーナでは、1日3時間以上、週3日以上働ける経験豊かな登録販売者を募集しています。オリジナルの求人情報には、「シフト自己申告制」とあるので土日勤務を外してもらえる可能性大です。
仮に平日の日中に1日5時間、月20日間働いた場合、次の月収が望めます。
勤務体系 | 9:00~翌3:00 1日3時間以上、週3日以上勤務できる人 |
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給与 | 基本時給1,150円 22:00以降は時給1,438円以上 平日18:00~22:00、または土曜勤務は時給1,200円 日曜・祝日勤務は時給1,250円 |
業務内容 | OTC医薬品カウンセリング販売・レジ・接客・商品陳列など |
待遇 | 交通費支給(規定内)、制服貸与、社会保険完備、がんばり次第で毎月昇給可能、ミニボーナスなど |
ローソン狭山下奥富店では、コンビニ業務全般およびOTC医薬品コーナーを担当する管理者要件の登録販売者を募集しています。1日2時間以上、週1日以上勤務できる人であれば応募可能です。
仮に平日の日中に1日5時間、月20日間働いた場合、次の月収が望めます。
勤務体系 | 6:00~22:00の間でシフト制 週1回、1日2時間以上で応相談 |
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給与 | 基本時給1,100円 6:00~9:00は時給1,200円 |
業務内容 | OTC医薬品相談・販売・コンビニ業務全般 |
待遇 | 交通費支給(1万円まで)、制服貸与、マイカー通勤OK、社員登用制度あり |
土日勤務が特に明記されていない埼玉県内の異なる業種のパート求人を調査してみた結果、シフトの自由度が高いのはコンビニであることがわかりました。
その他のエリアを見ても、コンビニの求人は週2日以上とか、1日3時間以上など、シフトの自由度が高いのが特徴です。
また一般的なドラッグストア業界以上の時給を提示している店舗が多いのも嬉しいポイント。土日を休日にしたいのであれば、ぜひコンビニ業界も検討してみてください。